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根管内にファイルの破折があったため、顕微鏡を用いてファイルを除去して根管治療を行った症例|千歳烏山おとなこども歯科|千歳烏山駅の歯医者・歯科なら千歳烏山おとなこども歯科|土日診療

根管内にファイルの破折があったため、顕微鏡を用いてファイルを除去して根管治療を行った症例

根管内にファイルの破折があったため、顕微鏡を用いてファイルを除去して根管治療を行った症例

(写真などは患者様の許可を得て載せております)

 

治療内容:

 左下の奥歯の根の先に炎症があり、根管治療が必要でしたがレントゲン上でファイル(根の中を治療するための道具)の破折がありました。 CT撮影をして顕微鏡を用いてファイルを除去して根管治療を行いました。

 

治療期間:6回(ファイル除去は1回)

費用:保険治療

 

治療:

  痛みや腫れ等はなかったのですが、レントゲン上で根の先に炎症を確認したため、症状はないが治療しないでこのままだといずれ抜歯になる可能性が非常に高いとお話させていただき治療となりました。

 レントゲンから根の中にファイルが折れて残っている事が確認でき、これを取らないと綺麗に治療ができない事を説明しました。当院で治療したものではなく、おそらくかなり前からこの状態であったと思われます。 また奥歯の根の形は複雑なことが多いため、詳しく形を確認して精密な治療をするためにCTを撮影して顕微鏡を用いて治療をしていく事になりました。

 顕微鏡で見ると少し分かりにくいですが銀のファイルの断面が見えます。

 

 顕微鏡用の超音波で少しずつ周りを削りながらファイルの頭を出していき、ある程度出たところで振動を与えて除去しました。 その後レントゲンを改めて撮影してファイルが残っていないことを確認し、根の治療を進めていき、最終的に根の中が綺麗になったところで詰めていきました。

↑ファイルの周りを削って頭を出したところ

↓ファイルを除去した後

↓ファイル除去後のレントゲン

↓根管充填後のレントゲン

 

治療後:治療後は痛みなく経過は良好です。

↓治療前後のレントゲン

 

 

主な副作用リスク:

ファイルの破折が確認できても必ずしも除去できるものではなく、部位や形によっては取れない事もあります。

ファイルが除去できたとしても元々の炎症が大きい場合は治癒が望めない場合もあります。

元々何も症状がなくても治療後に痛みや腫れが出る事もあります。

・治療をしても治らない場合は抜歯になる可能性があります。

炎症や歯の状態によっては根の治療しても治癒が望めず根管治療の対象外となる事があります。

ファイルを除去していく過程で根の壁の横に穴が空いてしまう可能性があります。

 

症例を通じて伝えたい事:

 根管治療をしている際に治療している器具が破折して根の中に残ってしまう事はどうしても起こり得る事です。もちろん治療する時には細心の注意を払いながら行ってはいますが、それでも完全に起こらないようにする事は難しいです。 またファイルが残ってしまっていても必ずしも根の先に感染を起こす訳ではないため、そのまま詰めているケースもあります。

 ただ、ファイルが破折して残っておりその根が感染を起こしている場合は治療をした方が良い場合が多く、その際にはファイルを取り除く事が必要になります。破折したファイルは根の壁に食い込んでいる事が多いため簡単に取れるものではなく、また前述した通り必ずしも取れるものではないです。  

 今回のケースですと、ファイルの破折している位置が比較的浅い事、根の壁が厚い事もあり顕微鏡を見ながら少しずつ周りを削る事でファイルの頭を出せて、無事に除去する事ができました。

 ただ全てのケースで出来るものではなく、取ろうとしてみたが結局取れない場合もあります。

 他院で行ったものでも治療を行う事は可能ですので、お気軽にご相談いただければと思います。