口腔外科
口腔外科
口腔外科とは、口腔内(口の中)だけでなく口の周辺や顎、場合によっては首の辺りまでの組織の疾患に対する診療科です。このように書くと「?」となるかもしれませんが、実際口腔外科の治療している幅はかなり広いです。なので、ざっくりと「虫歯とか歯周病とか以外の治療」と思っていただければと思います。
具体的には
こうした症状を扱う口腔外科は診察室での治療が困難な場合もあり、治療内容によっては専門の病院で診てもらった方がよい場合もあります。しかし、なかなか患者様自身で判断するのは難しく、また直接専門の病院に行っても紹介状がないと診てもらえない(紹介状ないと追加で5000円~10000円かかります)事もあるため、何か気になる事があれば何でもお気軽にご相談いただければと思います。
日常的に起こっていると、自分はその症状が出やすい体質なんだと思っている方もいらっしゃるかもしれません。もちろん体質的になりやすい(例えば口内炎ができやすい等)ですが、私たちが見るとそれは口に原因がある場合もあります。また、自覚症状がない時に重大な病気の初期症状がある場合もあります。
当院では定期検診でも歯肉の状態を見るようにしております。実際、普通に定期検診で来院された方で歯肉に前がん病変(そのままにしておくとがんになる可能性のあるもの)が発見され、すぐに大学病院で処置したため少し歯茎を切っただけで何もなかった方も珍しくないです。
親知らずの抜歯の経験豊富なため、安心して抜歯していただく事が出来ます。(神経近い、完全に骨に埋まっている等リスクが高い場合は専門病院に紹介する場合もあります)また、顎関節症や肩こりなどはかみ合わせが原因である事も多く、かみ合わせを含めた治療も多くやっております。
口腔外科で最も多く、患者様にとっても最も身近な治療といえば親知らずの抜歯ではないでしょうか?親知らずと聞くと特殊な歯と思われるかもしれませんが、親知らずとは第三大臼歯の通称であり、多くの方は普通にある奥歯なのです。一般的に生えてくる時期が10代後半~20代前半ですが、人によっては30代で生えてくる方もおります。元々は当たり前にある歯なので、なにも問題がないのであれば他の奥歯と同様にちゃんと予防や治療をしていくべき物ものにはなります。
ただ現代の方は顎が小さくなっているため綺麗に並ばない事が多く、そのため虫歯になりやすい、歯茎が被っているから磨けずよく腫れる、横向きに生える、歯列不正の原因になる‥等、親知らずがある事により、口腔内にとってマイナスに働く事が多々あります。
そのため抜歯をした方が口の中全体にとってよい場合が多いのです。裏を返せば、抜歯をする必要がない場合もあります。 では、他の歯の抜歯と違い親知らずの時は大変と言われる事が多いのはなぜでしょうか?それは親知らずがちゃんと生えていない事が多く、そのため半分・もしくは完全に埋まっていたり、神経に近かったりと抜歯をするのが難しくなっている事が多いからです。また、特に下の場合は骨の構造上腫れやすい事も大変と言われる原因かと思います。親知らずの抜歯がCT撮影して安全に行う事や、詳しい診断が必要となりますので、お気軽にご相談いただければと思います。
親知らず以外でも止むを得ず抜歯が必要になる事があります。重度の虫歯や歯周病、歯の破折、根の先の膿、腫瘍‥‥様々な理由で歯を残すのが難しい場合があります。近年の歯科医療では抜歯をしないようにするために様々な治療が行われております。当院では少しでも歯を残せる可能性を上げるためや治療の精度を上げるために顕微鏡を導入し、他にも様々な事を行っております。しかし、抜歯が必要になってしまう場合も少なくないです。ほとんどの場合、抜歯は局所麻酔という注射の麻酔で行います。ケースによっては全身麻酔や静脈内鎮静法で行う場合もあります。また様々な疾患や内服によって血が止まりにくい事や感染しやすい方もおります。場合によっては専門の病院に紹介しないと危険な事もありますが、多くのケースでは当院で行う事も可能です。院長が元々有病者(病気を持っている方)歯科で経験を積んでおり、訪問歯科の経験も豊富なため、安心していただければと思います。
口の中の粘膜(舌・歯肉・頬・口唇など)に炎症、腫瘍(良性・悪性)、アレルギー症状、出来物などが出現する疾患の総称です。人体において外に触れるところは皮膚であり、口腔内は口腔粘膜である。どちらも外界からの刺激や有害物から保護する働きがあるが、口腔粘膜は皮膚と違いとても薄くて柔らかいという特徴がある。なので、口腔粘膜は刺激を受けやすく、また口の中はとても多くの菌がいる(肛門と同じくらい)ため症状が様々な事が起こりやすい。
だからこそ、丁寧に診断して治療を行っていく事がとても大切です。
腫瘍は大きく良性と悪性に分けられます。良性腫瘍は大きくなる事はあっても他の組織に転移などする事はないですが、悪性腫瘍(主に口腔がん)は他の組織に転移していく事もあり、がん自体は日本人の死因の第一位です。どちらも患者様自身では診断する事はもちろん自覚症状がない事の方が多いです。また悪性腫瘍の前段階である前がん病変と呼ばれる物もあり、定期検診で見つかる事も少なくないので定期検診はちゃんと受けておく事をオススメいたします。また治療は専門の病院に行っていただく事もあります。
口腔がんの原因の代表的な物は喫煙と飲酒であり、特に喫煙者は非喫煙者に比べて4倍もがんのリスクが高いと言われております。口腔がんの好発部位は舌・歯肉・頬粘膜であり、この後にあるセルフチェックをしつつ、少しでも気になく事があれば診察を受けていただくのが大切です。
顎関節症とは、顎の関節の周囲に現れる症状の総称であり、原因によりⅠ型からⅣ型に分けられます。
顎の周囲の筋肉が原因で痛みなどが出る状態です。主な症状としては噛んだ時や口を開けた時に顎が痛いなどであり、歯ぎしり食いしばりなどの癖だけでなく、咬合異常(かみ合わせの異常)が原因で起こる事が多いです。
顎関節包の内外にある軟組織の慢性外傷病変の事です。肩や膝の関節の靱帯のように明確な診断方法が確立しておらず、Ⅱ型と確定するのはまだ難しいのが現状です。
顎関節の関節円板(顎の関節をスムーズに動かすための軟骨)の障害が原因で起こるものです。主な症状としては関節のクリック音、口が開かなくなるなどであり、Ⅰ型と並んで顎関節症の中で多いものになります。
顎関節の骨の形の異常が原因でおこるものです。主な症状としては口が開かないなどであり、レントゲンにより分かる事もあります。またリウマチなどの全身疾患の症状の一つとして現れる事もあります。
顔や顎の外傷です。交通事故やスポーツ中、転倒などにより歯が折れる・割れる・脱臼、顔や口腔内に裂創、骨折などです。この場合、早く歯医者さんで治療を受ける事によって治せる事もあるため、口の中に自覚症状がなくても受診する事をオススメいたします。
先天性である事が多い、上下の顎の形や大きさの異常によって顔面の変形やかみ合わせに異常をきたしている状態です。治療する場合は専門の病院で手術をする事も多く、矯正とかみ合わせ治療も同時に行っていく事もあります。
先天性の形態異常で、上顎の骨や唇が割れているように見える状態の事です。治療は出産直後から成人になるまで長期にわたります。口腔外科だけでなく、小児歯科、矯正、形成、などによる総合的な治療が必要になります。
歯を抜いた場合に、抜けたところにご自身の別の歯を植える治療になります。親知らずを使う事が多いです。歯を抜いた場合の治療は一般的に、入れ歯、ブリッジ、インプラントのどれかが選択されますが、この移植も選択肢の一つです。移植をするためには、移植するためにちょうど良い歯がある事が前提条件にあり、また移植をしても確実に生着するわけではないので、どなたでも出来る治療ではないので、移植可能かどうか検査と相談していただければと思います。
静脈から薬を投与して意識を薄れさせて眠っているような状態で治療をする方法です。治療に対する恐怖が強い場合などに行われる事がある方法で、基本的に専門の病院で行います。実際、治療している間は完全に眠っているわけではなく、口を開けたり噛んだりという指示には従えるのですが、治療後の患者様自身は覚えてない事も多いです。